1977年の出来事・・・
結婚して間もない夏の頃だったでしょうか・・・いつものように就寝していると、いつも同じ所から夢がはじまり、一日ごとにその話が進展していく夢を一週間続けて見るのでした。
その夢のとは・・・
■夢の一日目
場所はいつも自分が寝ている六畳一間。傍らには妻が寝ている。
和箪笥を左手に私が寝ており、右手に母、その横に父が障子戸を右手に寝ている。
これが子供の頃の私の部屋の様子である。
皆が寝静まった頃、ふと・・・私は目を覚ます。すると。。。
なぜか父の右手に白装束を着たおかっぱ頭の女の子が寝ている。なぜ・・・
歳は3歳くらいだろうか・・・
私がその女の子に目を向けると、女の子は起きあり、父の上を母の上を乗り越えて、
私の方へやってくる・・・
表情をまったく変えることもなく、ただまっすぐに、父や母の寝床の上を歩き、私の身体の上
へとやってきた。
私はどうするのかと思いながらも、ただ女の子をじっと眺めている・・・
女の子は私をみることもなく、ただまっすぐに、私の身体をも乗り越えようとしている。
そのとき、私は起きあがり女の子を掴んだ。
そして夢は、ここで終わりとなる。
■夢の二日目
次の日、また夢をみる・・・不思議と夢は昨日とまったく同じ情景・・・・
夢のはじまりは、昨日の夢と少しも変わらない。
皆が寝静まった頃に、ふと私は目を覚ました・・・
昨日の夢とまったく同じ様に、白装束の女の子が起きあがり、父、母の身体を乗り越え、
私の方へと寝床の上を歩いてくる。
昨日とまったく同じじゃないか・・・ 夢が繰り返されていた。
だが、きょうの夢は、昨日の夢と少し違っていた。
女の子は、私の身体の上に乗ったのだ・・・
そこで私は起きあがり、その女の子を掴んだ。
そして、また夢は、ここで終わりとなった。
■夢の三日目
きょうもまた、昨日までと何一つ変わらない同じ夢をみている・・・
まるで同じ映画を繰り返しみているようだ。
少しも表情を変えることもなく、声を発することもない。そう、考えてみると、音がない。
静寂で暗闇の中、街灯の薄明かりに、ぼんやりとその女の子が見えるだけだった。
三日目のきょうも、女の子が私の方をみることはない。
昨日までと何も、何一つ変わらない夢が繰り返されている。
寝床の上を歩き、きょうもまた、私の寝床までやってきた。
昨日の夢は、私の身体の上に乗ったとろで終わっている。きょうは・・・
きょうも、少しだけ夢が進んでいく。女の子は、更に左手にある和箪笥に手をかけた。
私は急いで起きあがり、和箪笥を開けないように女の子を止めようとしたところで、
三日目の夢は終わりとなった。
■夢の四日目
もう四日目。 また同じ夢、本当に映画を繰り返しみているようだ・・・
きょうも私はただじっと、寝ながら女の子をみている・・・
とうとう女の子は、和箪笥の引き出しを開けた!
その瞬間、私は慌てて女の子を掴まえた。
またしても、掴まえたところで夢は終わってしまった。
■夢の五日目
また同じ夢を見ている。もう五日も続けて同じ夢・・・
一日目から何ら変わることなく繰り返される夢。 どうして五日も同じ夢を・・・
違っているのは、日ごとに先へ先へと展開していく夢であること。
白装束で無表情な、おかっぱ頭の女の子。 この子は誰・・・
父、母の寝床を踏み越え、私が寝ている寝床へと繰り返される情景・・・
ただまっすぐに和箪笥へと向かって行く。
私も変わらず、そんな様子をただじっと眺めているだけ。
きょうは、ようやく和箪笥の引き出しを開け、とうとう女の子は、中を覗いた。
また昨日までと同じように、私は女の子を掴まえた。 そして夢は、ここまで・・・
箪笥の中には、何があるんだろう・・・
■夢の六日目
この夢も、とうとう六日目になった。
なぜ毎日同じ夢を見るのだろう。 なぜ日増しに話は先へ先へと進んでいくのだろう。
あの和箪笥の中には、何があるというのだろうか・・・ なぜ・・・
静かで音のない、真夜中・・・
六日目とて、一日目から何ら変わることなく繰り返される夢。
夢のはじまりは、一日目から何ら変わることはない。
きょうも先へ先へと、進んでいく夢・・・ 同じことが繰り返される。
この日、女の子は引き出しの中から、服を取り出そうとしている。
その様子を眺めている私に振り向くことはない。無表情なままだ。
昼間、和箪笥の引き出しの中を、私は確認してみた。
中には、母の和服が丁寧にしまわれて入っているだけで、何も変わったものなどは無い。
私は、服を取り出そうとしている女の子の腕を押さえた。
夢はここで終わり、目が覚めた。
■夢の七日目
この夢も七日目になった。
一週間も同じ夢を、それも日ごとに話が進んでいく夢をみるなんて・・・
夢の女の子は誰? なぜ和箪笥を開けるのか。 そこに何かあるのか。
一日目からの夢を忠実に繰り返し、日ごと進んでいく昨日までの夢が、きょうも繰り返される。
昨日までは、和箪笥の引き出しを開け、服を取り出そうとしたところで、夢は終わっている。
このままなら、きょうは服を取り出すことになる・・・
白装束の女の子。無表情な顔。しかし、可愛らしい顔をしている。
いよいよ和箪笥から、女の子は服を取り出しはじめた。 私は慌てた。
服を出させないように急いで起きあがり、女の子の腕を押さえた。
いつもなら、女の子に触ったところで、夢が終わっている。
昨日までと同じなら、きょうもここで夢は終わるはず・・・ だが
女の子は突然振り向き、私の胸元の上に乗りいきなり首を絞めだした。
く、苦しい!!!。。。息ができない。。。!!!
昨日までは、確かに夢だったはず・・・ なのに、なぜだ。
苦しい。夢であるはずなのに、息ができない・・・
私は、苦しくて声を出すことも出来ず、ただ苦しみもがいていた。
目の前に、女の子の顔がある。無表情に、私の首を締め上げる・・・
もうこれ以上は・・・と、気を失いかけたとき、夢から覚める。
「よかったぁ、夢だったんだぁ。」
そうなんだ。夢に決まっている。現実であるはずがない。
私はホッとし目を閉じ、大きく深呼吸をして息を整えていた。
そして目を開け、傍らに眠る妻を見て、「ああ、今のはやっぱり夢だったんだ」と、
安心しながら私は天井を仰いだ。そのとき、な、なんと・・・ 私は我が目を疑った。
夢の女の子が、私の目の前に・・・私の胸元に乗り、私の首を絞めだしはじめたではないか。
女の子の顔は暗くて見えない。ものすごい力で、どんどんと首を締め付ける。
私は息が出来ず、ただもがき苦しむばかり・・・
必死で、必死で声を出そうと抵抗するが、声にならず、女の子の力を跳ね返すことも、
身動きさえできない。
ぎゅっと、締め付ける力だけが、首の感触として残るだけ・・・
傍らに眠る妻に助けを求めようと必死で叫ぼうとするが、どうしても声を出すことができない。
薄れそうになる意識の中で、必死になって声を出そうとしているうちに、ようやく「助けて~」と
叫び声を出すことができた。
必死の大きな叫び声となった。
それと同時に女の子の姿も消えると同時に妻が目を覚ました。
私は直ぐに妻に今の出来事を話したが、妻は全く理解できないようで、私の叫び声すら聞こ
えなかったと・・・
妻が目を覚ましたのは、なぜ・・・真夜中の二時を過ぎようとしてる、こんな時間に・・・
あの女の子は、いったい何だったんだろう・・・
なぜ私の首を絞めたのか・・・
和箪笥の引き出しから、なぜ服を出そうとしたのか・・・
あの恐怖を、今でも忘れることが出来ない。
今も、こうして想い出すだけで全身に寒気を感じ、震えてしまう。
あの女の子はいったい・・・
数年後、夢の女の子によく似た子に、再会することになるとは・・・
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