この体験は多分1986年の8月(記憶が定かでない)のことだったと思う。
毎日、自宅と会社との往復に通る道。それは通い慣れた道でもあり、頻繁に車が通る主要国道でもある。もう9年近くも通勤や買い物に通っている。
ある日の夏の夜。勤務を終えて自宅に帰る途中10時30分頃に、ある地点に差し掛かると急に背筋に寒気を感じて、全身に鳥肌が立つことがあった。はじめは、夜だし車内に風を入れていたので、たまたま冷たい風でそうなったと思い、それほど気にも留めずにいた。
それから数日後、勤務を終えて自宅に帰る途中急に、また全身に寒気を感じて鳥肌がたった。すぐに何事もなかったように寒気もなくなった。おやっと思いながらも、そのときもそれほど気にも留めていなかった。
この後も2回数日の間をあけながらも、同じようになんとも言えない寒気を感じることがあったが、このときも依然と同様に、おやっとは思いながらもさほど気に留めなかった。
そして更に数日後、勤務を終えて自宅に帰る途中、またも急に寒気を感じるような瞬間があった。このときは、車の窓も開けていないし、寒くもないし、最近、急に寒気を感じることがあるなぁと、ふと思い返してみた。
そうだ、いつも夜の10時30分頃に、ある場所を通ったときに寒気を感じていたことを・・・と、そんな思いをするようにもなっていた。
意識するようになったけど、夜の10時30分頃でない時間に通っても、寒気など感じない。
そんな思いをしていた更に数日後のこと、例の場所に10時30分頃に差し掛かったときに、5回目になる突然の寒気・・・
それも今までより強く感じ、頭の上から足のつま先まで全身鳥肌がたつ状態。でも、すぐにその地点を通過すると、寒気は何事もなかったように収まってしまう。
あぁ、またかぁ・・・と思いながらも、そこを通り過ぎ我が家へと帰り、いつものように夕食を摂り風呂を済ませた私は、深夜の1時頃に寝ようと思い寝室へと向かった。
まだ起きている妻のベッドに入り、眠ろうとして目を閉じたそのとき、私にある情景が突然浮かび上がって来た。
それは、道路で男性が倒れている姿で、俯せになっている。少し血が流れてるようだ。
どうやら車にはねられたらしい。
なぜ、こんな情景が浮かぶんだろう。これは・・・なんだろう・・・と思いながら、周りの景色を見てみると、そう、あの寒気を感じた場所。私は隣にいる妻に、今見えている情景を語っていた。意識して語った訳でもなく、自然と声に出して話してしまっていた。時間にしてどれくらいなんだろう。多分5分程のことだと思う。その夜は、変な話ってことで妻も私もそのまま眠りについた。
次の日のこと・・・
仕事から帰ってきた私を待ち受けてたかのように、妻が話しかけてきた。
「どうしたの?」私は妻に尋ねた。
妻は昨夜の私が話した内容が気になったらしく、近所の知人に私が見た場所で何かあったのかと、聞いたそうです。すると、もう何年も前に、そこで男性が車ではねられる事故があったとかで、私が見た情景のままだったそうなんです。
その事故は、私たち夫婦が引っ越してくる前の出来事で、私もその事故があったことさえ知らない。まして、そのときの状態がどうだったか、具体的に知るよしもない。
私は、ふ~んって感じで、特に驚きなどはなかったけど、妻はとても驚いたらしく、この事実を知ってからと言うもの、今まで私の不思議な体験をまったく信じなかった妻が、少しは信じるようになったようだった。
しかし、妻にとってはこれが、これからはじまる恐怖の前触れだったのです。
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