浮遊してたのか!?

この話は、何日かは記憶が曖昧だけれど、1997年1月上旬での出来事。

その頃の私は、離婚したことで毎夜子供達に会いたくても会えない寂しさに精神的にも疲れており、日に日に会いたくなる気持ちを無理矢理抑えていた。
そんな日々のある夜に楽しい夢を見たのでした。その夢は空高く私が飛んでいる夢・・・
空を飛ぶ夢はこのときが初めてではなく、記憶にあるだけでも、このときを含めて4回になる。
夢が覚めても飛んでいるときの空気や風の感触が残っており、この夢をみたときの目覚めはとても気持ちがいい。何度でもみたい夢だ。

その夢の話・・・
まだ明け方前の薄明かりの空を、私は高く高く空へ飛んでいく。あたりは雪の白に染まっている。
私は当時札幌に住んでおり、自宅から子供達の住む家へと向かっている。車で行くときと同じように、子供達の住む家に向かうには中山峠を越えなければならない。
もっと、もっと高く飛ばなければ・・・私は更に高く飛ぼうとしている。
高くなればなるほと風は強くなり、後ろに戻されそうになりながらも、山々を眺め、飛んでいることに心地よさを感じていた。空気や風を感じるけれど、冷たさや寒さは感じない。これが夢なんだろう・・・

中山峠を越えるか越えないか位までの記憶しかないが、次の瞬間に200km以上も離れた子供達の住む家の屋根の上空に私はいた。あたりは雪が積もっていて真っ白。白々と空も明けかけている。
気がつくともう家の中に・・・どうやって入ったのかわからないが、一階の居間に私は居る。部屋の中は薄暗い。ためらいもなく、そのまま階段を上り娘の部屋へと向かった。
考えてみると、私は娘の部屋の場所を知らない。なぜわかったのだろう?

二階へ上がった私は、まっすぐに娘の部屋の戸を開け、中へと入った。
薄暗い部屋には、娘が眠っている。近くに寄って、じっと娘の寝顔を見る私・・・時間にすると10秒ほどか20秒ほどだったかは定かではないけれど、短い時間だったと思う。
寝顔を見ていると、娘はふっと目を開けた。そしてそのまま、また目を閉じ眠ってしまったようだ。そんな娘をみたところで私の夢はここで途切れている。ここで目が覚めたわけではないのだが、夢の記憶がこの後どうなったかの記憶にない。
夢から覚めた私は、夢の中であっても娘に会えたことに喜びを感じ、少し気持ちも晴れていた。

その日の夜、娘の母親(元妻)から突然電話が掛かってきた。
私「どうしたの?」
元妻「今朝、家に来たの?」「なんで黙って来て帰ったの?」
私「ん???行ってないよ。子供に会いに行った夢は見たけど・・・」
元妻は娘に向かって「やっぱり、パパ来たんだぁ!」
娘「やっぱり、あれパパだったんだぁ!」
私「???何言ってるの・・・」
私は、なんのことやらさっぱり訳が分からず、元妻に尋ねた。
すると、今朝4時30分頃に居間に誰かが居て、二階へ上がって行く足音を聞いたのだと・・・この家には、子供が3人と元妻の父親とが住んでいる。
元妻は誰だと思いながらも、ベッドに横たわっていると、少しして今度は二階から降りてくる足音が聞こえたので、誰だろうと起き出して居間に行くと、そこには誰もいない。
居間の戸は開いたままで、玄関を開ける音も無かったし、変に思った妻は玄関や窓を確かめたが、開いておらず異常も無かった。もしかして泥棒かと思い、家の周りを見渡してみるが、その日は雪が降り積もった後で、足跡はどこにもなかった。
そして昼間、娘が「明け方に誰か私の部屋に入ってきて、顔を見てそのまま出ていった」と元妻に話をし、誰がここに来たのかと不信に思った二人は、もしかすると私が来たのではと思い電話を掛けてきたということでした。

私が夢と思っていた事は、どうやら実は遠く離れた娘の家で実際に起きていた出来事だったのでした。元妻も娘も常識では考えられないような出来事を、私ならあり得る出来事だと、「な~んだ。やっぱりパパかぁ!」と笑って決着されてしまったのでした。
私は、飛んでる夢を見たときは、ほんとうに飛んでいたのかと、自分で自分が不思議でならなかった。
でも、理由はなんであれ、会いたかった娘の顔を見て、電話で声を聞くことができたことが、何より嬉しくて仕方がなかった。

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