あれは死に神?

私がはじめて恐怖を感じた不思議な体験・・・

確か7歳か8歳の頃だったと思う。もうこの頃はいろんな不思議な体験を日常的に経験している頃で、いつも黒い人影が自分の周りを歩き回っているのが見えたりしていた。
この光景はいつものことなので、私にとってはそれが普通のようであり、気のせいと思えることだった。
ある日、母にその事を話したとき母は目の病気ではと、とても心配して私の目に傷や濁りがないかを確かめていたことを今でもよく憶えている。
この黒い人影は、壁もすり抜け、私の体をもすり抜けていく。ただそれだけのことで、何をするわけでも、されるわけでもない。空気のようなもので、私の体をすり抜けていくときも、何も感じない。
ところが、あまりにも多くの黒い人影が見えてしまうときがあって、そんな日々を送っている頃には、いろんなことが起きた。
たとえば・・・
寝ようとしたそのとき、足下から誰かが私の体を上ってくる・・・それは、ずっしりとした重みを感じ、一歩一歩上に歩いてくる。しかし、私の体の上には誰もいない。
やがて、私の腰までに見えない何かが歩いて来て、そして胸の上ときたとき、その重みの何かは歩くのを止めた。
「あ、止まった!」と思った瞬間。今度は押しつぶされそうになるくらいに重くなり、息をするにも苦しく、体は動かせない。必死で隣の部屋でテレビを観ている兄に助けを求めようともがいても、どうにもならない。やがて重みに耐えかねて気を失ってしまったことがある。

決まって真夜中の2時に目が覚める。
家族がみんな寝静まっている真夜中の2時に、なぜか目が覚めてしまう。すると、流しから水の流れる音がして、食器を洗っているような・・・「あれ!こんな時間に」。母がいつも炊事や食器を洗っているときと同じ水の音。でも隣で母は寝ている。私は水道の蛇口がきちんと閉められていなくて、水がこぼれているのかとも思ったが、それにしても、かなりの水の流れる音。おまけに食器がぶつかる音までする。流しは、私が寝ている部屋からは居間を挟んでおり、その場をみることはできない。
不思議に思いながらも、そのまま私は眠ってしまう。こんなことが10日も続いた・・・
10日目の夜も変わらずに、流しから水が流れ食器を洗う音がする。家族は寝静まり、電気もついていない部屋で少し恐かったけれど、意を決して起きて流しに行ってみることに・・・
ゆっくり、ゆっくりと足音をさせないように、そっと近づいてみる。流しの入り口直前まで、変わらず音がしていたが、流しを覗いた直後に音は消えてた。
蛇口はしっかりと閉められており、水は全く流れていない。もちろんそこには誰もいない。何も変わった様子はなかった。その後は、流しから水が流れて食器を洗う音はしなくなった。

学校からの帰り、夕暮れに一人遊んでいると、ときどき声が聞こえるときがあった。
何気なく私は返事をしてしまう。でも、そこには私一人で他には誰もいない。
声は大抵男の声。今では何が聞こえたか記憶にないが、ときどき背中をたたかれる。

そんなこんなと、不思議なことが起きている頃のある日、夕方の4時か5時の事。
その日は曇っていて、自宅の前で一人遊んでいると、いつの間にかあたりには人影はなく、道行く人もいない。すると、駅へと続く家の前の道の向こうから、黒いマントに大きな斧みたいなものを持った男性?がこちらへと歩いて来た。実際の身長はわからないけど、今推測すると180cm程だろうか・・・
私はその黒マントの人を見た瞬間、なんだかわからないけど、とても恐くなって家の中へ駆け込んでしまった。でも恐いもの見たさなのか、また家の塀の陰からそっと覗くと、その黒マントの人はゆっくりゆっくりと静かに歩いこちらへ向かってくる。顔はマントでよくわからない。
私のところまで来るんだろうかと、もう恐怖で体がすくんでしまい動けずにいたが、その黒マントの人は斜め向かいの家へと入って行った。その家の玄関を開けたようには思えなかったけど、ただ恐くてそれ以上はみていられず、私は家の中へと駆け込んで、もうその日何も喋らず、早々と寝てしまった。
翌日、昨日の出来事が気になって、斜め向かいの家の前を通り過ぎてみたらその家の住人が亡くなっていて、忌の文字が玄関にあった。まだその頃は子供で何のことかよくわからなかったが、後になって誰かが亡くなったのだとわかった。今では、その住人の誰が亡くなったのか記憶にない。ずっとあの黒マントがなんだったのか気になっていたけど、わからないままになっていた。時々思い出すが、思い出すたびに怖くなった。

そんな出来事から20年以上も経ったある日、テレビを観ていたら番組でタロットカードを使った占いをやっていて、そこに映し出されたカードがなんと、私が観た黒マントの姿にそっくり。それはタロットカードの死に神。入っていった家の住人が亡くなったってことは、この死に神のせい?・・・それとも死期が近くなって迎えに来た?
カトリックを信仰してい人にもそんな話をしたところ、「それは死の使者(死に神)だと思います」と一言。信仰心の無い私にとって、死に神って言われてもピンとはこないけど・・・
それに、そこの住人は法華経を唱えていたので、カトリックでもないだろうに・・・
でも、あのみただけなのに感じる怖さってなんなんだろう・・・今では大分記憶も薄れてきて恐怖感も薄れたけど、今思い出しても不思議な。出来事だった

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